言語コース：クルド語

A：言語学大辞典【世界言語編】（三省堂, 1999）第1巻によると、
「クルド語はイラン語派に属する現代語で，通常，その西北方言に分類されており，クルディスターン（Kurdistān）とよばれるトルコ，イラク，イラン，シリアにまたがる山岳地帯に住むクルド族の言語である．クルディスターン以外にも，少数のクルド人は，ホラーサーン（Khorāsan），および，*ソ連のトルクメン（ホラーサーンから移住したもの），アルメニア，アゼルバイジャン，およびグルジアの諸共和国，さらに，トルコの中央部に住んでいる．（略）」
と書かれています。
*現在のトルクメニスタン

また、クルド語はインド・ヨーロッパ語族イラン語派西イラン語群にカテゴリー分けされていて、ペルシャ語にも近い言語です。

【クルド語の方言】
本書によると、マッケンジー（D. N. MacKenzie／イランの言語を研究したイギリスの学者）はクルド語を北、中央、南の3方言に分類しています。この分類による中央方言がソーラーニー方言であり、イラクのクルディスタン地域（アルビール、スレイマニヤなど）と、イラン西部（マハーバード、サナンダジュなど）で話されています。ソーラーニー方言は、ペルシア語やアラビア語と文字を共有し、クルド語特有の発音については、文字に特殊記号を追加することで表記されています。
本コースでは、このクルド語・ソーラーニー方言を取り扱っています。

【言語名の表記】
「ソーラーニー」がひとつの言語として定義されていることもあるため、「中央クルド語」「ソラン語」「ソラニー語」「ソーラニ語」と表記されたり、「ソラニー方言」「ソーラニ方言」などと表記されることもあります。
Kimiya では、発音に一番近い表記「ソーラーニー方言」と表記しています。